【独白】初めての海外一人旅でグアテマラに行った話

【独白】初めての海外一人旅でグアテマラに行った話

───成田空港、国際線ターミナル。

アメリカ、ヒューストン行きの飛行機の搭乗を待つ群衆の中に一人、負のオーラ全開の人物がいた。

「帰りたい……」

まだ出発もしていないというのに、その人物はしきりにそう呟いていた。完全にヤバい奴だ。

「自分ほんと馬鹿野郎……」

そして軽率かつ適当な決断をした自分を恨めしく思っていた。

 

これは私、あさうみの、初めての海外一人旅の旅立ちの記録である(長いよ)。

旅のきっかけは、実に予測不可能な場所に転がっている。

───出発の日からさかのぼること半年前。

私は、テレビの前に寝っ転がってバラエティ番組を見ていた。

ゴールデンタイムに放送していたその番組は、「日本に行きたい!」と切に願っている外国人を日本にサプライズ招待して彼らの観光に密着する、というやつ。「日本凄い!日本素敵!」みたいなハナタカな空気を醸成するありがちなやつ(偏見)。でもなんだかんだで見ちゃうやつ。

そのときは、グアテマラという国からやってきたおじさんの密着取材を敢行していた。

 

グアテマラ。

スターバックスでよく目にするコーヒーの産地、くらいの認識しかなかった。

グアテマラのおじさんは念願の日本を訪れて、とにかくはしゃいで目をキラキラさせていた。そして何度も何度も「ありがとう」を口にしていた。

イイ話ダナ〜で終わるという、ありがちな展開

だったのだが……

「グアテマラのおっちゃん、めっちゃいい人じゃん…!」

そのときの私はなぜか、異様なまでに感動していた。

番組の企画とはいえ、こんなにもストレートに、純粋に、感謝の言葉を伝えられる人をこれまで見たことがあっただろうか。いや、ない!(反語)

私はグアテマラのおっちゃんに惹かれまくっていた。

 

そこからは早かった。

グアテマラのおっちゃん良い人=グアテマラは良い国

あまりにも安直な思考回路のもと、私はグアテマラという国についてググり始めた。

そして分かったのは、

・メキシコの下にある国

・マヤ文明の遺跡が残っている国

・美味しいコーヒーの原産地

・世界一安くスペイン語留学ができる国

ということだった。

 

私はtwitterを開き、一言だけ呟いた。

『今度の旅はグアテマラにするわ!』

翌日、twitterを開くと通知がきていた。

友人からのいいね!がたくさんついていた。

 

何事も、時間を置いてみると冷静に考えられるものだ。

グアテマラのおっちゃんに感激して、衝動的にツイートしてしまったことを私は後悔した。

そして思ったのである。

 

これでグアテマラ行かなかったら、私めっちゃダサくない??

 

……分かっている。

私がグアテマラに行こうといかまいが、人はさほど気にしないということを。

……分かっていた。

昨晩のツイートを気にしている人なんて、自分以外には誰もいないだろうということを。

 

それでもそのときは(というよりもこれまでの人生)、私は妙に他人からどう思われるかとか、他人の評価や視線みたいなものが気になって、

引くに引けなくなってしまったのである(笑)

 

衝動と見栄が私の背中を押した。

これが、記念すべき【初】海外一人旅を決めたきっかけである。

 

実にしょうもない。

一に悲観、二に悲観、

グアテマラ行きを決意してから、私はすぐに飛行機のチケットを取った。ビビってやっぱり止めたなんてことがないように自ら逃げ道を絶ったのだ。えらいぞ。

「グアテマラ行ってくるわ〜」「え、どこ?(笑)」というやりとりが友人との間で定番化していくなか、私は努めて陽気に振る舞っていた。「まあなんとかなるっしょ〜」みたいな。

実際、そんなことは全く、1ミリたりとも思っていなかった。

 

なんとかなるわけないじゃんか…!

 

治安は悪い。インフラもよろしくない。食べ物もやばそうだ。ググればググるほど出てくる良くないウワサ。

心配性、潔癖症、偏食気味の私にとってこれぞ「こうかは ばつぐんだ!」である。

そしてグアテマラの公用語はスペイン語。

大学の第二外国語の授業でスペイン語を選択していたけれど、会話は本当にからっきしだった。中南米では英語もほとんど通じないそうだ。不安しかない。

出発の日が近づくほど憂鬱な気分になった。旅に対してかつてなくネガティブだった。

日本に生きて帰れるかな……

念のため遺書したためとこ……(本当に書いた)

 

「この旅を乗り越えたら、きっと私はどこにでも行けるようになるはずだ……」

それだけを信じて、出発までの日々を過ごしていた。

 

三四がなくて五に悲観、

───そして時は出発当日に戻る。

飛行機は好きだった。が、このときだけは嫌いになった。

死刑宣告を待つような気分で飛行機の搭乗時刻を迎えて、美しいフライトアテンダントさんに誘導されて自分の座席についた。

そして座った瞬間に思った。

 

駄目だわ…これ墜ちるわ……

 

無駄に明るいアニソンを聞いてテンションをあげようと思っても、墜落するイメージが頭をよぎる。泣きそうである。久しぶりに緊急ガイドブックを開いた。

 

もういいや…墜ちたら行かなくていいし…

いっそのこと堕ちろ…

救命ボートで日本に帰ろう…

 

墜落しても死ぬ気はない。後向きなんだか前向きなんだかわからない。

兎にも角にも、離陸後しばらくして私は悲観的に開き直った。

映画は6作品くらい観た。機内食も毎食完食した。そして爆睡。

気づけば普通に快適な空の旅を満喫していた(おまえほんとなんなん)。

 

トランジット・オブ・チキン

そんなこんなで無事ヒューストン空港に

ひゅ〜すとんっ(すみません)。

 

日本からグアテマラへの直行便はもちろんないので、アメリカ経由で乗り継ぎをしてグアテマラに入る。

トランジットが上手いこといきすぎて次の飛行機の搭乗まで約1時間。短い、短すぎる。もし遅れたらどうするつもりだったのか(お得意の根拠のない自信である)。

私は足速に入国審査へ向かった。

入国審査官のジト目、あれ万国共通なんですかね。アメリカは特にこわい。どきどき。「行ってよし」「あざーっす!」

入国審査を済ませて誘導パネルに沿って進む。当たり前だけど英語表記。

「トランジットって書いてある」

「ってことはこっち?」

「うんそうだそうだ」

独り言オンパレード。はたから見ればヤバい人だ。でも周りに頼る人がいなければ内なる自分と相談するしかないじゃないですか。仕方ない。「言葉を作り出すというのは、うちなる他者との共同作業」だって内田樹先生も言ってた。(『街場の文体論』ミシマ社)

 

話を戻そう。

ヒューストン空港は移動しやすくて、搭乗ゲートまですんなり辿り着いた。

ゲート近くのベンチに座っていたら、不意に隣に座っていたラテン系のお兄さんに話しかけられた。心臓が跳ねた。

「グアテマラ行きの飛行機ってここであってるよね?」

「いえすいえす」

カタコトの英語で尋ねられたので私もカタコトで返した。「グラシアス」って言われた。いやそこはサンキューだろ。最後まで英語で話そうよ(笑)

 

ぼんやりと搭乗開始の時刻を待っていた。空港内アナウンスを右から左へ聞き流す…

かと思われた。

 

アサウミ〜アサウミ〜プリーズカムトゥーチェックインカウンター

 

!?!?!?!?!?

 

心臓が跳んだ。反射的に立ち上がった。

ラテン系のにいちゃんが「おっアサウミ?」みたいな顔でこっちを見てる。そうだよ私がアサウミだよ!

「なんだなんだ」

「なんか悪いことした?」

「してないよ多分!」

内なる自分と緊急会議しつつカウンターへ向かった。

 

結論から言って、全然大したことなかった(笑)

短時間のトランジットだったから、私が次の搭乗ゲートまで来ているかを確認されただけだった。緊張損。

 

飛行機の搭乗が始まって、列に並んでいると後ろから日本語が聞こえてきた。異国の地で母国語が聞こえてくるとこんなにもホッとするものなのか。ていうかグアテマラに行く日本人って自分の他にもいるんだ!←

思わず振り返って話しかけようとしたけど、私にそんな勇気はなかった。こちとら筋金入りの人見知りだ。

 

年季の入った飛行機に乗り込む。ポンコツだ。大丈夫か、ちゃんと飛ぶのか。

 

まあ、なんとかなるわけで……

日本出発から16時間、ついにグアテマラに到着!

入国審査官のおじちゃんがニッコニコの笑顔で「グアテマラへようこそ〜!」って。ジト目じゃない……何事。

預けていたスーツケースが流れてくるのを待つ。グアテマラをはじめ中南米ではスーツケースの紛失率が高いらしい。こればっかりは祈るしかなk「来たあ〜〜〜!」

到着ロビーに行くと、プラカードを掲げている人がたくさんいた。そのなかに日本語で「あさうみ」と書かれた紙を持っているイケメンがいた。私は一目散に彼の元へ駆け寄った。そこはかとなく恋人のように駆け寄った。

「Hola…! Yo soy ASAUMY…!」

「アサウミ!グアテマラへようこそ!さあ行こうか!」

頑張ってスペイン語で話しかけたのにバリバリの英語で返されるという。なんだこの敗北感は。

でももうなんでもいいよ…笑顔が眩しいよ……。グアテマラ、好き(早い)。

 

以上、初めての海外一人旅。

の、旅立ちの記録でした。

なんでこんな長ったらしく書いたかというと

 

初心忘れるべからず、だぞ。

 

 

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