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  4. 初めての海外一人旅で【グアテマラ】に行った話

これは初めての海外一人旅で、グアテマラに行った女子大生の旅立ちの記録。

旅のきっかけ

大学2年生だったわたしは、とあるバラエティ番組を見ていた。その番組は、日本好きの外国人を日本に招待して、彼らに密着取材するというものだった。いわゆる“ニッポン賛美”な番組趣旨を感じて、わたしはやや冷めた気分で眺めていた。その日の放送では、グアテマラという国からやってきたおじさんが出演していた。

グアテマラ。

グアテマラときいて真っ先に思い浮かべるのはコーヒーだろうか。中南米の国ということは漠然と知っていたが、それ以上のことは分からない。

日本にやってきたグアテマラのおじさんは、これでもかというほどはしゃいでいた。訪れた先々で心を躍らせ、出会った人々に感謝を告げる。カタコトの日本語で、何度も何度も「ありがとう」と口にする。イイ話ダナ〜で終わる、ありがちな展開だったのだが……

グアテマラのおっちゃん、めっちゃ良い人じゃん…!

斜に構えて見ていたはずの番組に、いつの間にか見入っていたわたしは、どういうわけか異様なほど感動していた。ニッポンのスバラシサに感動したのではない。グアテマラのおっちゃんの、善の心に惹かれたのだと思う。

グアテマラのおっちゃんは良い人=グアテマラは良い国
あまりに安直な思考のもと、わたしはTwitterを開くと一言だけツイートした。

「こんどの旅はグアテマラにするわ!」

翌日、Twitterを確認すると、そのツイートには思いのほかたくさんの「いいね」がついていた。何事も時間を置いてみると、冷静に考えられるものだ。グアテマラのおっちゃんに感激して、衝動的にツイートしてしまったことを後悔した。

これでグアテマラに行かなかったら、ダサくない…?

分かっている。わたしがグアテマラに行っても行かなくても、他人にとっては些事だということを。けれど、このときのわたしには「行かない」という選択肢はなかった。衝動と見栄に背中を押された結果、記念すべき初めての海外一人旅は【グアテマラ】に決定したのである。

スーパーネガティブモード

グアテマラ行きを決意すると、すぐに飛行機のチケットを取った。ビビって「やっぱり行くのや〜めた!」なんてことがないよう、自ら逃げ道を絶ったのである。

「春休みなにすんの?」「グアテマラに行く」「なんて?笑」が友人たちとの恒例の会話になるなか、わたしは努めて陽気に振る舞っていた。「まあ〜なんとかなるっしょ!」と、怖いもの知らずを装っていた。実際のところ、そんなことはまったく、1ミリたりとも思っていなかった。

なんとかなるわけないじゃんか…!!(爆、泣)

治安は悪い。インフラは整ってない。食べ物はよく分からん。英語はほとんど通じない。調べれば調べるほど出てくる不穏な情報に、わたしはすっかり萎縮していた。出発の日が近づくにつれて憂鬱な気分になった。「旅」という行動に対して、かつてなくネガティブだった。それはもう、遺書まで書いたほどである。

この旅を乗り越えたら、きっとわたしはどこへだって行けるようになるはずだ…!
それだけを信じて、出発までの日々を過ごしていた。

旅立ちの日に

そしてとうとう出発の日が来てしまった。見送りに来てくれた母に涙目で別れを告げ、どんよりとした気分で飛行機の搭乗時刻を迎える。飛行機に乗り込み、自分の座席についた瞬間に予感した。

駄目だわ…墜ちるわ……

明るい音楽を聞いてテンションをあげようと思っても、墜落するイメージが頭をよぎる。久しぶりに座席備え付きの緊急時ガイドブックを開いた。泣きそうである。

もういいや…墜ちたら行かなくていいし……
救命ボートで日本に帰ろ……

墜落しても死ぬ気はない。後向きなんだか前向きなんだかわからない。こうしてわたしは悲観的に開き直り、心の平穏を取り戻したのである。

飛行機は定刻通りに離陸した。映画は6作品くらい観た。機内食も完食。そして爆睡。気づけば、快適な空の旅を普通に満喫していた。

どきどきトランジット

墜ちると思っていた飛行機は、何事もなくヒューストン空港に到着した。日本からグアテマラへの直行便はないため、アメリカで乗り継ぎをしてグアテマラへ向かう。次の飛行機の搭乗までは1時間しかなかった。短い、短すぎる。もし遅延していたらどうするつもりだったのか。

なんとか時間内に搭乗ゲートまで辿り着き、ほっと一息ついたところだった。ベンチに座って空港アナウンスを右から左へ聞き流していると、何やら聞き慣れた音が聞こえてきた。

「アサウミ〜アサウミ〜プリーズカムトゥチェックインカウンタ〜」

え!?名前呼ばれてる!?

広大なヒューストン空港に響き渡る自分の名前。心臓が跳ね、反射的に立ち上がっていた。隣に座っていたラテン系のお兄さんが「お、アンタのこと?」みたいな顔でこっちを見ている。
緊張の面持ちで呼び出しカウンターへ向かうも、用件は大したことなかった。どうやらわたしが搭乗ゲートまでちゃんと来ているかを確認しただけのようだった。お騒がせである。

ほどなくして飛行機への搭乗が始まり、待機列に並んでいると、後方からふと日本語が聞こえてきた。グアテマラに行く日本人が自分だけではないことに、なんだかとても安堵した。

ついに到着

日本出発から16時間、ついにグアテマラに到着!

入国審査官のおじさんがニコニコの笑顔で「ウェルカムグアテマラ〜!」と迎えてくれた。入国審査史上、もっともフレンドリーな対応にびっくりする。同時に、わたしをグアテマラに導いたおっちゃんの笑顔が脳裏をよぎった。

グアテマラのおっちゃんは良い人=グアテマラは良い国
この仮説はあながち間違いではないのでは!と早くも思い始める。

到着ロビーを出ると、旅行者の名前が書かれたプラカードを掲げている人がたくさんいた。そのなかに日本語で「あさうみ」と書かれた紙を持っている青年がいた。

「オラ!ジョ ソイ アサウミ!」「アサウミ!グアテマラへようこそ!さあ行こう!」
頑張ってスペイン語で声をかけたのに、普通に英語で返された。ちょっと恥ずかしい。

空港から目的地のアンティグア・グアテマラまでは車で1時間ほど。自力で向かうにはハードルが高かったので、事前に送迎サービスを頼んでおいてよかった。

車窓から流れる景色を眺めながら、これからはじまるグアテマラでの日々に思いを馳せる。

出発前に感じていた孤独と不安は、車内に流れる爆音ラテン音楽のおかげ(せい)で、自然と和らいでいた。

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