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【1日50km】東京から鎌倉まで12時間かけて歩いてみた

こんにちは。あさうみです。
今回は東京から鎌倉まで12時間かけて歩いた体験談です。

東京から鎌倉まで歩く理由

なぜやるか?
  1. 家から海まで歩いてみたかった
  2. みんなができるけど、みんながやらないことをしたかった
  3. 1日50km歩いたときの身体・精神状態を知りたい
  4. 災害時など帰宅困難な状況にある知り合いに勇気と希望を与えたい

1. 家から海まで歩いてみたかった

最大の理由。ただ漠然と、自分の生活圏を飛び出して、遠く離れた海まで歩いていくことにロマンを感じた。これは人間に備わる原初の夢ではなかろうか。エレンだって最初は壁の向こうには海があって、海の向こうには自由があると信じていた。(それがなぜあんなことに…)海に行きたいのなら、鎌倉まで行かずとも東京湾でもよいのではと思うだろう。それじゃあ駄目なんだ…なぜなら、東京湾ではロマンが足りないからだ。鎌倉の由比ヶ浜海岸から太平洋に沈む夕日を見る。これこそがロマンである。

2. みんなができるけど、みんながやらないことをしたかった

その気になればみんなできる。でもやらない。ゆえに輝くものである。

3. 1日50km歩いたときの身体・精神状態を知りたい

10km・20km・30km・40km・50km。各地点での疲労度を把握することは、生きるうえで意外と大事なことだと思う。ぜひとも今後のお出かけに活かしたい。

4. 災害時など帰宅困難な状況にある知り合いに勇気と希望を与えたい

これはなかなか有益ではなかろうか。公共交通に頼らなくても50km移動できるんだよと、身体を張って証明し、いつの日か皆を鼓舞したい。

50kmの経過観察

天気予報を確認し、快晴の日に出発することを決めた。わたし、晴れの日に出発したいの──。気持ちは完全に魔女の宅急便のキキである。不安は微塵もなく、旅立ちへの期待でいっぱいだった。

【0km〜15km】自宅〜多摩川

早朝4時、バナナを食べていざ出発。由比ヶ浜海岸で夕日を見るべく、夜明け前の街を元気いっぱい闊歩する。

夜明け前の高層ビル群 住宅街で迎える日の出

都内の住宅街で迎える日の出。美しい朝だ。(この区間はまだ一眼レフで写真を撮る余裕があった)

多摩川の河川敷

想定よりも一時間早く多摩川に到達したので、河川敷で小休憩をする。ついでに親に進捗連絡をすると、あまりの速さにLUUPに乗ったと疑われる始末である。ふっふっふ…そんな卑怯なことするはずがなかろう!

【15km〜35km】多摩川〜上大岡

多摩川を越えるといよいよ神奈川県に入る。気が早いのは百も承知だが、神奈川県ならもう鎌倉に着いたも同然だ。ほんとうに気が早い。

武蔵小杉を通りすがり、いかにも三井不動産の息がかかってそうな(偏見)タワマンの緑地で一休みしていると、そこかしこのタワマンからぞろぞろと親子連れが出てくる。しばらくすると保育園や幼稚園の送迎バスがやってきて、パパママがちびっこたちを見送る朝の風景に出会う。タワマン近辺には体操教室に水泳教室、学習塾に英会話スクールなど、実に多種多様な習い事の教室があった。今どきの子どもは大変だ…なんだかすごい街だった。

新横浜スケートセンター

途中、新横浜スケートセンターを通過する。ここは昔、スケート選手をしていたときに試合やアイスショーで来ていた思い出の場所だ。まさかここまで歩いてくる日が来ようとは…やや方向性のおかしい感傷に浸った。

案内標識

保土ヶ谷ではじめて鎌倉方面が示された案内標識に遭遇する。いよいよ鎌倉が現実味を帯びてきた。だが、横浜は港街。さすがに坂が多かった。ここまでは快調に歩いてきたが、じわじわと脚が削られていく。心なしか膝が痛いような……いや、気のせいだ。

【35km〜45km】上大岡〜北鎌倉

地獄の道のりはここから始まった。35kmを過ぎたあたりから急激に身体が重くなり、あちこちが痛くなった。横浜あたりから薄々感じていた膝の痛みが無視できなくなる。さらに足の裏と甲・足首・ふくらはぎ・太もも・股関節・腰・背中までも痛くなる。もはや痛くないところがない。さながら痛みのアベンジャーズ/エンドゲームである。ほんとうに辛い。ありえないくらい辛い。道中、バス停や公園があると天国のように感じる。ベンチに腰掛けて身体の痛みをやり過ごしていると、おばあちゃんの気持ちになる。

※ここに写真を入れるはずだったが、辛すぎて写真を撮る余裕がない

適度な筋肉痛はいい。だがこれはいけない。尋常じゃない筋肉痛。おそらくふくらはぎは肉離れを起こしていたと思う。一歩進むたびに筋肉がぶち切れ、身体がバラバラになるような感覚。こんな状態なのにそれでも脚は動き続けている。これは不可思議な状況で、どうやら単純な体力と足腰の耐久度は別物らしかった。体力はあるけど足腰が限界。車に例えるならば、ガソリン満タンの状態でタイヤがパンクして、だけどそのまま走り続けてるみたいな。車両火災なんぞ知ったことか。何が起きても走り続けろ、歩き続けろ。まさにマッドマックス怒りのデスロード。

※ここにも写真を入れるはずだったが、辛すぎて写真なんか撮れるかア!!!

兎にも角にも35km〜45kmが死線だった。しかもこのあたりは景色も単調で、こうも変わり映えしないと気力まで削がれてしまう。本当は景色だって一期一会のはずなのだが、もはや景色を楽しむ余裕はない。狭窄する視界のなかでどうにか案内標識を捉えるも、そのたびに落胆する。保土ヶ谷で鎌倉方面を示す案内標識を見かけてから、久しく「鎌倉」の文字を見ていない。もう随分歩いてきたはずだ。それなのに一向に鎌倉が出てこない。そろそろ出現してもいい頃ではないか…なぜ出てこないのだ…このときのわたしは、メロスとセリヌンティウスのことを考えていた……

【45km〜50km】北鎌倉〜鎌倉・由比ヶ浜海岸

鎌倉市の標識

三井寿「そうだった……こういう展開でこそオレは燃える奴だったはずだ……!」

メロスとセリヌンティウスのあと、満を持して心の中に登場したのは我が推し三井寿である。あのBGMがよみがえる。実際に曲を流したいところだったが、Bluetoothイヤホンは12時間の連続再生に耐えきれず、すでに沈黙している。わたしよりも先に逝きやがって……

何はともあれ死線をくぐり抜け、とうとう鎌倉市に入った。ここまできたら行くしかない。ゴールが見えたことで僅かに息を吹き返す。己を鼓舞し、一心不乱に鎌倉街道を歩き続けた。

由比ヶ浜海岸

そしてついに…そのときはやってきた。
神奈川県鎌倉市由比ヶ浜海岸に到着!!!!!

世界が終わるまでは〜〜〜♪(ちょっと泣いた)

まとめ

さいごに、50km歩くことのメリット・デメリットをそれぞれ挙げておきたい。

50km歩くメリット

メリット
  1. 半径50kmが徒歩圏内になる
  2. 徒歩移動における距離対疲労が分かるようになる
  3. ガッツが手に入る

1. 半径50kmが徒歩圏内になる

これは大きい。たとえば旅先で「AからBまでは5km、BからCまでは6km、CからDまでは7kmか〜。電車もあるけど、散策がてら全部歩くか!」と、瞬時に判断できるようになる。これは大きい。

2. 徒歩移動における距離対疲労が分かるようになる

今回の試みでいちばん有意義だと感じる点。「20kmってことは東京から新横浜くらいか。翌日に疲労が残らないギリギリのラインだな」という思考。移動距離に対する疲労度を把握しているので、無謀な徒歩行程を組まなくなる。良いスキルを手に入れました。

3. ガッツが手に入る

そのまんま。最後に物を言うのはガッツ。コマンドバトルでいう、HP1の状態で何ターン凌げるか。FGOの蘆屋道満やネロには及ばないが、クー・フーリンやヘラクレスくらいのガッツ付与は期待できます(そして力尽きる)。

50km歩くデメリット

デメリット
  1. 半径50kmが徒歩圏内になってしまう
  2. 時間がかかる
  3. 身体に悪い

1. 半径50kmが徒歩圏内になってしまう

良くも悪くも半径50kmが徒歩圏内になると、移動の第一候補が徒歩になる。仮に電車で行くことになっても、わたしの脳内では徒歩>>>>>電車なので、「ああ、歩いてでも行けたな……」という一抹の悔しさが残る。この思考に、この先ずっと付き合わされると思うとなかなか厄介である。

2. 時間がかかる

東京-鎌倉間を、行きは12時間かけて歩き、帰りは電車で帰ってきた。JR湘南新宿ラインは疾走する。両区間を1時間もかけずに疾走する。圧倒的敗北感。わたしの頑張りは何だったのでしょうか(ほんとにな)。みんなそんなに暇じゃないからね、やっぱり電車で行くべきだと思いますよ。

3. 身体に悪い

ここまで読んでもらえると分かると思うが、これをいっっっちばん痛感した。ほんとうに身体に悪い。「あ、いま命削ってるな」というのを歩きながらめちゃくちゃ感じた。体力があるとか健脚だとか、そういう次元の話ではない。ホモサピエンスの仕様書に「1日50kmの歩行は危険」って刻んだほうがいい。人間の一日の活動限界はマラソンの42.195km、競歩の35kmなんだろうよ……(ちなみに50km競歩は2020年東京五輪を最後に廃止されたそうです。さまざまな事情ゆえだと思いますが、やっぱり健康を害しますからね……)

由比ヶ浜で夕日を見て、その日は材木座海岸にある素敵な宿に一泊した。翌日は江ノ電沿線を観光しようと思っていたのだが、一晩明けてもまっっったく疲労が癒えていない。鎌倉高校前の、あの有名な踏切で写真を撮るつもりで江ノ電に乗ったものの、身体中が痛くて席から立てなくなってしまった。結局そのまま終点の藤沢駅まで行ってしまい、何もせずに帰る羽目となった。

せめて土産物店だけでも寄って帰ろうと思ったら、衝撃的なパッケージのお菓子を発見してしまう。我が推し三井寿にそっくりなDKが謎のJKと例の踏切で談笑しているではないか。誰よその女ァ……

湘南ゴールドグミゼリー

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