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  4. 【1日50km】東京から鎌倉まで12時間かけて歩いてみた

東京から鎌倉までの50kmを、12時間かけて踏破した闘いの記録。

この記事では、1日50km歩いたときの心身状態や、メリット・デメリットを詳細に解説します。

結論から言うと、1日50km歩くのは全然おすすめしません!!

東京から鎌倉まで歩く理由

はじめに、なぜ東京から鎌倉まで歩くことになったのか。その理由をお伝えします。

家から海まで歩いてみたかった

最大の理由。ただ漠然と、自分の生活圏を飛び出して、遠く離れた海まで歩いていくことにロマンを感じた。これは人間に備わる原初の夢ではなかろうか。『進撃の巨人』のエレンだって、壁の向こうには海があって、海の向こうには自由があると信じていた。(それがなぜあんなことに…)

いやいや、海に行きたいのなら、鎌倉まで行かずとも東京湾でよいのでは?と思うだろう。それじゃあ駄目なんだ。なぜならロマンがないからだ。鎌倉の由比ヶ浜海岸から太平洋に沈む夕日を見る。これこそがロマンである。

やろうと思えばみんなできるけど、みんながやらないことをしたかった

酔狂に生きたい。ただそれだけ。

ちなみに最近では、長距離を歩く人々のことを「伊能忠敬界隈」と呼ぶらしい。ぜひとも名を連ねたい。

1日50km歩いたときの身体および精神状態を知りたい

50kmに至る、各地点での疲労度を把握することは生きるうえで意外と大事なことだと思う。ぜひとも今後のお出かけに活かしたい。

災害発生時など帰宅困難な状況の人に、勇気と希望を与えたい

これはなかなか有益だと思う。

公共交通に頼らなくても50km移動できるよ!歩けるよ!と身体を張って証明し、いつの日かみんなを鼓舞したい。

50kmの経過観察

天気予報を確認し、快晴の日に出発することを決めた。

わたし、晴れの日に出発したいの──。

気持ちは完全に『魔女の宅急便』のキキである。不安は微塵もなく、旅立ちへの期待でいっぱいだった。

【0km〜15km】自宅〜多摩川

早朝4時、バナナを食べていざ鎌倉!

由比ヶ浜海岸で夕日を見るべく、夜明け前の街を元気いっぱい闊歩する。

夜明け前の高層ビル群 住宅街で迎える日の出

都内の住宅街で迎える日の出。美しい朝だ。(この区間はまだ一眼レフで写真を撮る余裕があった)

多摩川の河川敷

想定よりも1時間早く多摩川に到達したので、河川敷で小休憩をする。

家族に進捗報告がてらモーニングLINEをすると、あまりの速さにLUUPに乗ったと疑われる始末である。笑止!

【15km〜35km】多摩川〜上大岡

多摩川を越えるといよいよ神奈川県に入る。気が早いのは百も承知だが、神奈川県ならもう鎌倉に着いたも同然だ。(ほんとうに気が早い)

武蔵小杉を通りがかり、いかにも三井不動産の息がかかってそうなタワマンエリアで一休みしていると、そこかしこのマンションから親子連れがぞろぞろと出てくる。すると今度は保育園や幼稚園の送迎バスがどんどこやってきて、ちびっこたちが乗せられていく。

タワマン近辺には体操教室や水泳教室、学習塾に英会話スクールなど、実に多種多様の習い事教室があった。イマドキの子育てに圧倒されつつ、歩行を再開した。

新横浜スケートセンター

新横浜に到達。少しだけ遠回りをして馴染みの場所、新横浜スケートセンターを通過する。ここは昔、わたしがスケート選手をしていたときに試合やアイスショーで訪れていた思い出の地だ。まさかまたここに来る日がこようとは。しかも歩いて。

案内標識

保土ヶ谷に差し掛かったところで、はじめて鎌倉方面が示された案内標識に遭遇する。テンションが上がる。いよいよ鎌倉が現実味を帯びてきた。

しかし横浜は港街。さすがに坂が多かった。ここまでは快調に歩いてきたが、じわじわと脚が削られていく。心なしか膝が痛いような……いや、気のせいだ。

【35km〜45km】上大岡〜北鎌倉

地獄の道のりはここから始まった。35kmを過ぎたあたりから急激に身体が重くなり、あちこちが痛くなった。薄々と感じていた膝の痛みがついに無視できなくなる。それどころか足の裏と甲、足首、ふくらはぎ、太もも、股関節、腰、背中までも痛くなる。やばい、ほんとうに辛い。ありえないくらい辛い。道中、バス停や公園にベンチがあるのを見かけると、泣きながら腰掛ける。

※ここに写真を入れるはずだったが、辛すぎて写真を撮る余裕がない

適度な筋肉痛はいい。だがこれはいけない。尋常じゃない筋肉痛。ふくらはぎは肉離れを起こしているのではなかろうか。一歩進むたびに筋肉がブチ切れ、身体がバラバラになるような感覚。

こんなに満身創痍なのに、それでも脚は動き続けている。これは不可思議な状況だった。足腰は限界、けれどスタミナはまだある。たとえるなら、ガソリン満タンの状態でタイヤがパンクして、火花を散らしながら爆走してるみたいな。なにがなんでも歩き続けろ。マッドマックス、怒りのデスローーード!の境地。

※ここにも写真を入れるはずだったが、辛すぎて写真なんか撮れるかア!!!

兎にも角にも35km〜45kmが死線だった。しかもこのあたりは景色も単調で、こうも変わり映えしないと気力まで削がれてしまう。本当は景色だって一期一会のはずなのだが、もはや景色を楽しむ余裕はない。

狭窄する視界のなかでどうにか案内標識を捉えるも、そのたびに落胆する。保土ヶ谷で鎌倉方面を示す案内標識を見かけてから、久しく「鎌倉」の文字を見ていない。もう随分歩いてきたはずだ。それなのに一向に鎌倉が出てこない。そろそろ出現してもいい頃合いではないか…なぜだ…なぜ出てこないんだ……

【45km〜50km】北鎌倉〜鎌倉・由比ヶ浜海岸

鎌倉市の標識

三井寿「そうだった……こういう展開でこそオレは燃える奴だったはずだ……!」

意識が朦朧とするなか、満を持して心の中に登場したのは、我が推し三井寿。WANDSの…あの名曲が脳内再生される。実際に曲を流したいところだったが、Bluetoothイヤホンは長時間の連続再生に耐えきれず、すでに沈黙している。わたしよりも先に逝きやがって……

何はともあれ死線をくぐり抜け、とうとう鎌倉市に入った。ここまできたら行くしかない。ゴールが見えたことで僅かに息を吹き返す。己を鼓舞し、一心不乱に鎌倉街道を歩き続けた。諦めるな…諦めたらそこで試合終了だ……

由比ヶ浜海岸

そしてついに…そのときはやってきた。

神奈川県鎌倉市由比ヶ浜海岸に到着!!!!!

世界が終わるまでは〜〜〜♪

50km歩くメリット

50km歩くことのメリットをまとめてみました。

半径50kmが徒歩圏内になる

これは大きい。たとえば「目的地まで5kmか〜。1時間あれば余裕だな。よっしゃ歩こ!」と、瞬時に判断できるようになる。これは大きい。

徒歩移動における距離対疲労が分かるようになる

今回の試みで、いちばん有益だと感じた点。「20kmってことは東京から新横浜くらいか。翌日に疲労が残らないギリギリのラインだな」という思考。

移動距離に対する疲労度を把握しているので、無謀な徒歩行程を組まなくなる。良いスキルを手に入れました。

ガッツが手に入る

やはり最後に物を言うのはガッツ。コマンドバトルで例えるなら、HP1の状態で敵の攻撃を何ターン凌げるか。

FGOでたとえるなら、クー・フーリンやヘラクレス相当のガッツが付与されます(分かりづらいわ)。

50km歩くデメリット

50km歩くことのデメリットをまとめてみました。

半径50kmが徒歩圏内になってしまう

良くも悪くも半径50kmが徒歩圏内になると、移動の第一候補が徒歩になる。

仮に電車で行くことになっても、わたしの脳内では徒歩>>>>>電車なので、「ああ、歩いてでも行けたな……」という一抹の悔しさが残る。

この思考に、この先ずっと付き合わされると思うとなかなか厄介である。

時間がかかる

東京〜鎌倉間を、行きは12時間かけて歩き、帰りは電車で帰ってきた。

JR湘南新宿ラインは疾走する。両区間を1時間足らずで疾走する。圧倒的敗北感。わたしの頑張りは何だったのでしょうか(ほんとにな)。

みんなそんなに暇じゃないからね、やっぱり電車で行くべきだと思いますよ。

身体に悪い

これをいっっっちばん痛感した。シンプルに身体に悪い。「あ、いま命削ってるな」というのを、歩きながらめちゃくちゃ実感した。

体力があるとか健脚だとか、そういう次元の話ではない。もっと根底の、我々ホモサピエンスの仕様書に「1日50kmの歩行は危険」って刻まれてる。人間が健康でいられる、1日の活動限界はマラソンの42.195km、競歩の35kmなのだろう。

後日談

由比ヶ浜で夕日を見て、その日は材木座海岸にある素敵な宿に一泊した。

翌日は鎌倉観光を楽しもうと思っていたのに、一晩明けてもまっっったく疲労が癒えない。

鎌倉高校前の、あの有名な踏切で写真を撮るつもりで江ノ電に乗ったものの、身体中が痛くて座席から立てなくなってしまった。結局そのまま終点の藤沢駅まで行ってしまい、何もせずに帰る羽目となった。

せめておみやげでも見て帰ろうと思ったら、衝撃的なパッケージのお菓子を発見してしまう。我が推し三井寿にそっくりなDKが、謎のJKと例の踏切で談笑しているではないか。誰よその女ァ……

湘南ゴールドグミゼリー
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