こんにちは。あさうみです。
今回はグアテマラの世界遺産「ティカル遺跡」をご紹介します。
もくじ
ティカル国立公園
ティカル国立公園は、グアテマラ北部の221㎢に及ぶ熱帯雨林のジャングルです。
広大な敷地内にはマヤ文明最大級の神殿都市遺跡が残っていることから「ティカル遺跡」と呼ばれることが多いです。
ティカル国立公園は世界遺産のなかでも数少ない世界複合遺産として登録されています。
- 世界複合遺産
- 文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね揃えた世界遺産のこと。
複合遺産に登録されている世界遺産は全1,199件のうち39件と非常に少ない。(2023年10月時点)
メジャーなものでは「マチュ・ピチュ」が有名。
都市遺跡の文化的価値と、熱帯雨林の自然的価値。双方の観点が評価され、ティカル国立公園は1979年に世界複合遺産に登録されました。
- 人類の創造的資質や人間の才能を示す遺産
- 文化的伝統や文明の存在に関する証拠を示す遺産
- 建築様式や建築技術・科学技術の発展段階を示す遺産
- 動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す遺産
- 絶滅危惧種の生息域でもある、生物多様性を示す遺産
ティカルの歴史
ティカルには紀元前11世紀頃から人が住み始め、マヤの特色が見られるようになったのは紀元前30年頃だといわれています。
紀元1世紀には最初の王朝が成立し、都市の成立から繁栄、崩壊までの間に少なくとも39人の王がいたことが明らかになっています。
3~6世紀はメキシコ中央高原の大都市テオティワカンの影響を受け、テオティワカンに征服された後はそのまま従属王朝となりました。
7世紀からは宗教や技術、科学などにおいて独自の発展を見せるようになります。
現存している多くの建築物がこの時期に建造され、最盛期の8世紀には人口が6万人以上に達したといわれています。
しかし、ティカルは9世紀頃から衰退期に入り、人口の激減とともに次々と都市が放棄され、やがて廃墟となってしまいました。
ティカルをはじめとするマヤ文明の衰退理由は未だ明らかになっていません。
有力な説としては、人口増加による環境破壊や飢餓・戦争・自然災害などではないかと考えられています。
ティカル遺跡の見どころ
ティカル遺跡の見どころは、遺跡の主要部分であるグラン・プラザ周辺に集中しています。
ですが、広大な遺跡は普通に見て回るだけでもかなりの時間を要します。
少なくとも半日、じっくり見るなら一日と、遺跡見学では密林をひたすら歩き回ることになると思います。
ここからは、わたしが実際に歩き回ってきた必見スポットをご紹介します!
グラン・プラザ
グラン・プラザは「大広場」という意味で、その名の通りティカル遺跡の中心となる広場です。
遺跡見学の際もグラン・プラザを起点に行動すると分かりやすいと思います。
広場の南北は、神殿などの建築物の複合体アクロポリスに面しています。
また、東西はティカル遺跡の代名詞ともいえるⅠ号神殿とⅡ号神殿に囲まれています。
Ⅰ号神殿
Ⅰ号神殿は、元々この場所にあった建築物を覆うように造られた高さ47mの神殿です。
神殿内部の天井からは礼装の王と、神格のジャガーが彫刻された部材が発見されていることから別名「大いなるジャガーの神殿」とも呼ばれています。
9層で構成される基壇は、9層に分かれている地下世界を表していると考えられており、頂上部にある神殿の入口は地下世界への入口を表現しているそうです。
失われた世界
失われた世界は先古典期の儀礼用の区画で、ティカル遺跡のなかでは最も古い建築群が集まっているエリアです。
Ⅰ号神殿などよりも形がどっしりした神殿が多く、時代とともに洗練されていったことが伺えます。
時代の変遷を感じることができる「失われた世界」…名前もかっこいいです。
Ⅳ号神殿
Ⅳ号神殿は、神殿を支える部材に双頭の蛇が刻まれていることから「双頭の蛇の神殿」と呼ばれています。
神殿の高さは約64.6mで、アメリカ大陸にある古代建築物のなかでは最大規模の高さを誇っています。
Ⅳ号神殿はティカル遺跡のなかで唯一、ピラミッド形の基台の頂上まで登ることができる神殿です!
急勾配の階段を上りきった先、頂上からは地平線を一望することができます。
地球の雄大さを感じる絶景は、忘れられない景色となりました。
また、映画ファンの方ならこの景色にピンとくる方も多いのではないでしょうか。
わたしもこの景色を見るためにはるばるティカルまで来たといっても過言ではないです。
ティカル遺跡にあるⅣ号神殿は、映画「スターウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望」のロケ地としても有名です!
Ⅳ号神殿がある場所にはヤヴィン第4衛星の反乱軍基地がありました。
ミレニアムファルコンが敵機の攻撃から逃れて突っ込んでくるシーンが目前に広がっていました…!
おわりに
まさに秘境という言葉がぴったりなティカル国立公園。
個人的には首都グアテマラシティからティカルに向かうまでの道中、夜行バスで過去一の腹痛に襲われて死にそうでしたが、無事に辿り着けて本当によかったです。(その話は追々…)
ティカル遺跡では現在も考古学調査が進められており、次々と新たな発見がされています。
ティカルを訪れた際は、動植物の豊かな生態系を垣間見ながら、古代マヤ文明の源流に触れてみてください!
- 営業時間
- 6:00〜18:00
- 入場料
- Q150
- 公式サイト
- https://mcd.gob.gt/tikal/
- 備考
- Ⅳ号神殿から朝日・夕日を望める有料ツアーあり
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- 参考文献
- 世界遺産検定事務局「すべてがわかる世界遺産大事典 – 世界遺産検定1級公式テキスト」, 株式会社マイナビ出版, 2016年