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  4. 【世界遺産】ポンペイ遺跡の魅力|必見スポットと行き方を紹介

こんにちは。あさうみです。
今回はイタリアの世界遺産「ポンペイ遺跡」をご紹介します。

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世界文化遺産

ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区

ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区

ポンペイ遺跡は、正式には「ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区」という名称で世界遺産登録されています。

登録範囲の大部分を占めるポンペイと、その近郊にあるエルコラーノとトッレ・アヌンツィアータという地域を含めた広大な範囲が世界遺産です。

ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区

ポンペイは南イタリアのヴェスヴィオ火山近郊に位置し、古代ローマの商業都市として繁栄しました。

大広場を中心とした街には、市場・神殿・市庁舎・野外劇場・娼館・公共浴場・給水設備などがあり、1900年前の街とは思えないほど先進的な計画都市だったといわれています。

街路はきちんと歩道と車道に分けて舗装されており、住居も整然と並んでいました。

ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの考古地区

栄華を極めたポンペイでしたが…西暦79年に悲劇が襲います。

ヴェスヴィオ火山が噴火し、大規模な火砕流が発生。ポンペイは逃げ遅れた約2000人とともに火山灰の下に埋没し、一瞬にして滅亡してしまいました。

それから1748年に発掘が開始されるまで、ポンペイは当時の様子を留めたまま地中に埋まっていました。
そのため多くの遺構が風化することなく、非常に良い状態で保存されることとなりました。まさに古代都市のタイムカプセルです。

ポンペイ遺跡は古代ローマの暮らしや文化を伝える貴重な遺産として、1997年に世界文化遺産に登録されました。

世界遺産への登録理由
  • 文化的伝統や文明の存在に関する証拠を示す遺産
  • 建築様式や建築技術、科学技術の発展を示す遺産
  • 独自の伝統的集落や、人類と環境の交流を示す遺産

ポンペイ遺跡の必見スポット

ポンペイ遺跡は広大で、見どころがたくさんあります。

行き当たりばったりで散策するのも悪くはないですが、ポンペイ遺跡では見学したい場所は事前にチェックしておくことをおすすめします。

ここからは、わたしが実際に見学してきた必見スポットをご紹介します!

フォロ(Foro)・ジュピター神殿(Tempio di Giove)

フォロ(Foro)

フォロは「大広場」を意味するポンペイの中心地です。
遺跡見学の際は、フォロを起点にすると分かりやすいと思います。

フォロの周囲には公共施設が建ち並び、法廷や市場などがありました。

ジュピター神殿もフォロに隣接しています。
現在では柱が数本立っているだけですが、背後にはヴェスヴィオ火山を望むことができ、ポンペイ遺跡らしい写真が撮れる人気スポットです。(本記事のアイキャッチ画像もジュピター神殿)

貝のヴィーナスの家(Casa della Venere)

貝のヴィーナスの家(Casa della Venere)

貝のヴィーナスの家では、愛と美の女神ヴィーナスとキューピッドが描かれたフレスコ画を見ることができます。
この壁画は非常に保存状態が良く、美しい青色のフレスコ画は一見の価値あり!

貝のヴィーナスの家をはじめ、ポンペイではアトリウムやペリスティリウムと呼ばれる中庭を備えた邸宅が多いです。
古代ローマならではの、開放感ある住宅建築にも注目です。

小さな噴水の家(Casa della Fontana Piccola)

小さな噴水の家(Casa della Fontana Piccola)

小さな噴水の家は、建物入口から奥の庭園にある噴水を眺められるように設計されています。
これは所有者の社会的地位の高さを表していると考えられています。

この邸宅を象徴する噴水は近年修復されたもので、色鮮やかなモザイクと貝殻の装飾が印象的。

ちなみに噴水右下のブロンズ像は漁師を表しているそうです。シュール!

大劇場(Teatro Grande)・小劇場(Teatro Piccolo)・劇場ロビー(Quadriportico dei Teatri)

大劇場(Teatro Grande)

大劇場は丘の傾斜を利用して建設された屋外劇場です。約5000人の観客を収容できました。

すり鉢状の階段席は身分ごとに座席が決まっており、上流階級の人々が座る前列は大理石でつくられています。

小劇場(Teatro Piccolo) 劇場ロビー(Quadriportico dei Teatri)

大劇場には小劇場と劇場ロビーが隣接しています。

小劇場はオデオン座とも呼ばれ、屋内劇場として使われていました。

劇場ロビーは74本の列柱を巡らせた回廊で、幕間に観客が休憩するスペースとして利用されました。

スタビアーネ浴場(Terme Stabiane)

スタビアーネ浴場(Terme Stabiane) スタビアーネ浴場(Terme Stabiane)

スタビアーネ浴場は、ポンペイ遺跡のなかでも最も保存状態が良いとされる浴場跡です。

ポンペイ遺跡のメインストリートであるアボンダンツァ通り(Via dell’Abbondanza)沿いに面しています。

男女別に分かれた浴室には美しい壁画装飾が施され、低音・中温・高温と温度別の浴室が用意されていました。

スタビアーネ浴場(Terme Stabiane)

入口付近の広々とした中庭は、入浴前に一汗かくための運動場として使用されていたそうです。

ほかにも浴場の敷地内には食堂やマッサージ室・プールなどがあり、お風呂好きで知られる古代ローマ人の生活を感じることができます。

秘儀荘(Villa dei Misteri)

秘儀荘(Villa dei Misteri) 秘儀荘(Villa dei Misteri)

秘儀荘ではポンペイ遺跡で最も有名なフレスコ画「ディオニュソスの儀式」を見ることができます。

ディオニュソスはギリシャ神話に登場する豊穣の神。
当時のローマではギリシャの神であるディオニュソスを信仰することは禁止されていましたが、秘儀荘では密かにディオニソス信仰に関わる儀式が行われていたと考えられています。

上流階級のヴィラ(別荘)として建てられた秘儀荘は、ポンペイ遺跡の北側に位置しています。
フォロからは徒歩15分ほどの距離にありますが、足を延ばしてでも行きたい必見のスポットです!

オーディオガイドは必要?

オーディオガイド

ポンペイ遺跡は広いうえにどこも似たような趣きをしているので、見学が少し難しく感じるかもしれません。
目指していたはずの場所を通り過ぎていた…重要な展示物をスルーしていた…なんてこともあると思います。

そんなときに助っ人となるのがオーディオガイド!なのですが…
ポンペイ遺跡のオーディオガイドは、かなり難解な日本語が使われています(笑)

とにかく一文一文が異様に長く、自動翻訳感が否めない。
言いたいことは分かるけれど、説明がスッと入ってこないというか、理解しづらいというか…

個人的な意見にはなりますが、オーディオガイドはマストで借りる必要はないかなと思いました。(ただわたしが訪れたのは2018年なので、改良されている可能性はあります…!)

ですが、ただ遺跡を見て回るだけというのはもったいない!

知識があるとより楽しく、より有意義な見学になると思うので、ポンペイ文化財保護局が発行しているポンペイ遺跡ガイドをダウンロードしたり、ガイドブックを携帯するのがおすすめです。

ナポリからポンペイ遺跡への行き方

ヴェスヴィオ周遊鉄道

ポンペイには複数の駅があり、ヴェスヴィオ周遊鉄道(Circumvesuviana)とFS線トレニタリア(Trenitalia)が通っています。
どちらの路線もナポリ中央駅から乗り換えなしで行くことができますが、下車駅によってルートが異なります。

ナポリ中央駅からの3つのルート
ルート①:ヴェスヴィオ周遊鉄道のソレント行きに乗り、ポンペイ・スカーヴィ(ヴィッラ・ディ・ミステリ)駅で下車。エントランスまで徒歩1分。
ルート②:ヴェスヴィオ周遊鉄道のポッジョマリーノ行きに乗り、ポンペイ駅<ヴェスヴィオ周遊鉄道>で下車。エントランスまで徒歩20分。
ルート③:FS線トレニタリアに乗り、ポンペイ駅<FS線>で下車。エントランスまで徒歩20分。
※ポンペイ駅は2つあり、ヴェスヴィオ周遊鉄道とFS線トレニタリアでは駅の場所が異なるので注意

ナポリ中央駅からは3つのルートがありますが、遺跡見学をするならルート①:ヴェスヴィオ周遊鉄道のポンペイ・スカーヴィ(ヴィッラ・ディ・ミステリ)駅での下車がおすすめ!

ナポリ中央駅からポンペイ・スカーヴィ(ヴィッラ・ディ・ミステリ)駅までは25〜40分ほどで到着します。
駅のすぐ近くにポンペイ遺跡のメインエントランスがあるので便利です。

注意点としては、ヴェスヴィオ周遊鉄道はやや治安が悪いといわれています。
ナポリ-ポンペイ間は観光客が多いのでそれほど心配する必要はありませんが、スリには十分に注意してください。

なおカンパニアアルテカードを所持している場合は、ナポリ-ポンペイ間のヴェスヴィオ周遊鉄道の運賃と、ポンペイ遺跡の入場料が無料になるのでぜひご活用ください!

カンパニアアルテカードについてはこちらの記事で紹介しています。

Pompeii
住所
Vicolo del Panettiere, 80045 Pompei NA
営業時間
9:00-19:00
定休日
12/25・5/1・1/1
入場料
Pompeii Plus:22€
Pompeii Express:18€
※毎月第一日曜日は入場無料
Webサイト
http://pompeiisites.org/en/
備考
見学範囲や時期によって営業時間・チケット料金などが異なるためWebサイト要確認

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余談:マジック・ツリーハウスに導かれて

わたしがポンペイ遺跡を知ったきっかけは、幼い頃に『マジック・ツリーハウス 第7巻 ポンペイ最後の日』(メアリー・ポープ・オズボーン)を読んだことでした。

「マジック・ツリーハウス」は当時のわたしの愛読書だったのですが、そのなかでもポンペイ遺跡のエピソードは特に印象に残っています。

「ポンペイ最後の日」では火山の噴火が迫り、今にも滅びようとしている古代都市ポンペイを舞台に、ハラハラドキドキのストーリーが繰り広げられます。

ポンペイの豊かな生活と文化、そしてそこに住まう人々が一瞬にして火山灰の下に埋まってしまう。
その悲劇に、子どもながら切ない気持ちになったのをよく覚えています。

わたしはこのお話を読んだときから「いつか絶対にポンペイに行きたい!」と思っていました。
そして今回、十数年越しの願いが叶えることができて本当に感無量でした。大人になっても忘れない、児童文学の素晴らしさを実感しました。

参考文献
世界遺産検定事務局「すべてがわかる世界遺産大事典 – 世界遺産検定1級公式テキスト」, 株式会社マイナビ出版, 2016年
メアリー・ポープ・オズボーン「マジック・ツリーハウス 第7巻 ポンペイ最後の日」, 食野雅子 訳, 株式会社KADOKAWA, 2003年04月18日
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