こんにちは。あさうみです。
今回はウィーンの名物スイーツ、ザッハトルテをご紹介します。
もくじ
ウィーンでは社交や情報発信の場としてカフェ文化が花開きました。
街には素敵なカフェがいたるところにあり、地元ウィーンっ子や観光客、老若男女で賑わいをみせています。
そんなカフェ文化において、欠かせないのがスイーツ。
なかでも「チョコレートの王様」の異名をもつスイーツ、ザッハトルテはオーストリアを代表するケーキです。
ザッハトルテ戦争とは?
ウィーンにはザッハトルテが有名な二つの老舗カフェがあるのですが、両者には甘くて苦い因縁があります。。
それが、ザッハトルテのオリジナル商標を巡ってHotel Sacher(ホテル・ザッハー)とDemel(デメル)の間で争われた通称「ザッハトルテ戦争」です。
ザッハトルテ戦争の経緯にはフクザツな事情があるのですが、ここではわたしの解釈をなんとなく綴っておきます。
- 【30秒でわかる】ザッハトルテ戦争勃発の経緯
- ①ホテル・ザッハーの創業者エドゥアルド・ザッハーはデメルでケーキ職人の修業をしていた時期があり、このときにザッハトルテを考案する。
- ②エドゥアルドのザッハトルテは当初デメルで販売されていたが、ホテル・ザッハー創業後はホテル併設のカフェ・ザッハーでザッハトルテを提供するようになる。ザッハトルテはホテル・ザッハーの専売特許となる。
- ③エドゥアルドの死後、ホテル・ザッハーは一時経営難に陥るも、デメルが資金援助を申し出る。エドゥアルドの息子は資金援助の謝礼or見返りとして、ザッハトルテの販売権をデメルに認め、このときにザッハトルテのレシピも流出する。
- ④エドゥアルドの息子の死後、ザッハー家はデメルに対してザッハトルテの名称の使用を禁じる裁判を起こす。
なんだかすごくややこしいですが、たぶん、こんな感じです。
ザッハーとデメルは、ザッハトルテのオリジナル商標を巡って七年間も裁判をしました。
この裁判がザッハトルテ戦争──甘い七年戦争といわれています。
結局、裁判はザッハー側が一応勝訴したものの、ザッハトルテの販売自体はザッハー・デメルの両者に認められることになりました。
このときからザッハーのザッハトルテは「Original Sachertorte」、デメルのザッハトルテは「Eduard Sachertorte」(現在では「Demel’s Sachertorte」と呼ばれることが多い)として販売されるようになりました。
「オリジナル」を名乗ることにそこまで執着する必要ある…?と個人的には思わなくもないですが、まあ、いろいろな事情があるんでしょうね!(他人事)
長きにわたって火花を散らしたザッハーとデメルですが、肝心のザッハトルテにはどんな違いがあるのか気になるところ。
裁判ではアプリコットジャムが一層なのか二層なのかという点も争点になったそうですが、その美味しさはいかに……
というわけで、ここからは両者のザッハトルテを食べ比べてみます!
カフェ・ザッハーのザッハトルテ
めちゃくちゃ雪が降りしきるなか、カフェ・ザッハーにやってきました(笑)
カフェ・ザッハーはウィーンでも指折りの超人気カフェのため、常に観光客で賑わっています。
赤を基調とした店内はまるで宮殿の一室のようで、ヨーロッパ貴族にでもなったかのような気分です。
それでは、カフェ・ザッハーのザッハトルテをいざ実食。
ケーキ表面のコーティングチョコは存在感のある甘み。
しかし甘すぎるということはなく、ほどよい甘さ。チョコの硬さもサクッとフォークが通るくらいでちょうどいいです。
しっとりとしたスポンジも絶妙な甘さ。アプリコットジャムの層とマッチしています。
添えられているホイップクリームも甘さ控えめで、ケーキの甘さをマイルドにしているように思いました!
- 食べてみた感想
- カフェ・ザッハーのザッハトルテは、ケーキの構成要素であるチョコレート・スポンジ・アプリコットジャム・ホイップクリームがそれぞれを引き立て合い、美味しさの相乗効果が生まれている!
- 住所
- Philharmoniker Str. 4, 1010 Wien
- 営業時間
- 8:00-24:00
- Webサイト
- https://www.sacher.com/de/restaurants/cafe-sacher-wien/
- 備考
- オンライン予約可能
デメルのザッハトルテ
続いて、デメルへやってきました。
皇室御用達菓子店であるデメルは、王宮の近くに本店を構えています。
デメルはカフェ・コンディトライのお店です。
コンディトライとはケーキ店がカフェを併設した店のことで、店先にあるショーケースからケーキを先に選び、それから席に着くというシステムをとっています。
よりどりみどりのケーキを前に目移りしてしまいそうでしたが、今回はしっかり本命のザッハトルテを注文しました。
まずはケーキ表面のコーティングチョコ。
カフェ・ザッハーと比較するとデメルのチョコは厚みがあり、インパクトのある甘みです!
一方、スポンジはあっさりとした風味で、アプリコットジャムやホイップクリームも控えめな甘さ。
コーティングチョコとの甘さにかなりギャップがあるように感じました。
- 食べてみた感想
- デメルのザッハトルテは、コーティングチョコの甘さが主役!スポンジなど他の要素はチョコの引き立て役に徹している印象。
- 住所
- Kohlmarkt 14, 1010 Wien
- 営業時間
- 10:00-19:00
- Webサイト
- https://www.demel.com/
食べ比べてみた結果
以上、カフェ・ザッハーとデメルのザッハトルテを食べ比べてみました。
どちらのザッハトルテもとても美味しかったです。
ザッハトルテ戦争、味だけでいえば甲乙つけがたいなとしみじみ思いました。
これはもう完全に好みの問題ですが…強いて言えば、わたしはカフェ・ザッハーのザッハトルテが好きかな〜と思いました!
とはいえ、どちらも間違いなく美味しいので、ウィーンを訪れた際は本場のザッハトルテをぜひ食べ比べてみてください!