こんにちは。あさうみです。
今回はイタリアの世界遺産「ナポリの歴史地区」をご紹介します。
もくじ
※本記事に掲載している情報は2023年10月時点のものです。
ナポリの歴史地区

ナポリの起源は、古代ギリシャによって建設された植民都市「ネアポリス」にさかのぼります。
ナポリという名称は「ネアポリス」が転じたもので、その後はローマ帝国や東ゴート王国、ビザンツ帝国の支配下に置かれました。
海上貿易で栄えたナポリは、8世紀以降は「ナポリ公国」として事実上独立したものの、12世紀からはシチリア王国に統治されます。
その後はオーストリア、スペイン、フランスなどの大国に支配され、1861年にイタリア王国に併合。そして現在に至ります。
こうした歴史的背景から、ナポリは多様性に富み、さらに独自の文化を発展させていきました。
約2500年間の変遷を伺うことができるナポリの歴史地区は、1995年に世界文化遺産に登録されました。
- 文化の価値観の相互交流を示す遺産
- 建築様式や建築技術、科学技術の発展を示す遺産
ナポリのおすすめ観光スポット4選
ここからは、ナポリの必見スポットをご紹介します。
治安が悪いといわれるナポリですが、世界遺産に登録されている地区は観光地化されていることもあり、比較的安全な印象を受けました。
ですが、スリやひったくりなどの軽犯罪には要注意!
スパッカナポリ

古代ギリシャの時代から続く、下町風情が魅力のスパッカナポリは、全長3㎞の一本道を中心としたエリアです。
スパッカナポリは「ナポリをまっぷたつに切る」という意味で、西から東へ一刀両断するような道が通っています。(スパッとナポリ!)

スパッカナポリで象徴的なのは、小路にロープを渡して洗濯物を干している風景。
ナポリでも特に活気に満ち溢れたエリアなので、ぜひ散策してみてください。
サンタ・キアラ教会

サンタ・キアラ教会は、数あるナポリの観光スポットのなかでも特にオススメしたい場所です。
スパッカナポリの中心部に位置するサンタ・キアラ教会は、14世紀に創建されたナポリ最大のゴシック教会。
第二次世界大戦のときに一度破壊されてしまいましたが、現在は元どおりに再建されています。
また、教会敷地内には古代ローマの浴場跡や博物館などもあり、女子修道院も隣接しています。

サンタ・キアラ教会の最大の見どころは、教会裏手にある「クラリスの中庭」です。
マヨルカ焼の列柱には修道女の生活や田園風景などが鮮やかな色彩で描かれています。
近年ではフォトジェニックな写真が撮れる場所としても話題です。


クラリスの中庭を囲む回廊も必見です。
淡く優しい風合いの壁面装飾が見事で、ゆっくりと見て周ることができます。
ナポリの喧騒から離れたサンタ・キアラ教会には、別世界のような静謐な空間が広がっています。
ナポリを訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください!
- 住所
- Via Santa Chiara, 49/c, 80026 Napoli NA
- 営業時間
- 月-土曜日 9:30-17:30
- 日曜日 10:00-14:30
- ※諸聖人の日は時間変更あり
- 入場料
- 大人 6€
- 教師・30歳未満の大学生・65歳以上(証明カード必須) 4.5€
- 8-18歳の子供 3.5€
- Webサイト
- https://www.monasterodisantachiara.it/
カステル・デル・オーヴォ(卵城)

カステル・デル・オーヴォは、サンタ・ルチア地区の海岸通りから海に突き出して建てられた古城です。
元々は古代ローマの軍人ルクルスが建てた豪華な別荘で、10世紀頃に城塞として建て替えられたといわれています。
その後は王の住居、税を納める倉庫として使われました。
カステル・デル・オーヴォは卵城とも呼ばれています。
これは建城時に、魔術師が基礎部分に卵を埋めて「この卵が割れるときには城もナポリも滅びる」という呪文をかけたという伝説に由来しているそうです。

城の屋上からはサンタ・ルチア湾とヴェスヴィオ火山を望むことができます。
風光明媚なナポリの景色を堪能し、かの有名な言葉「ナポリを見てから死ね」を体感してみてください。
- 住所
- Via Eldorado, 3, 80132 Napoli NA
- 営業時間
- 月-日曜日 9:00-16:30
- ※諸聖人の日は時間変更あり
- Webサイト
- https://www.comune.napoli.it/casteldellovo
ガレリア・ボルボニカ(ブルボン・トンネル)


ガレリア・ボルボニカは日本人にはマイナーな観光スポットですが、とても興味深い場所です。
別名ブルボン・トンネルとも呼ばれ、ブルボン朝のフェルディナンド2世が民衆蜂起を恐れて作った地下通路です。

第二次世界大戦中は軍の病院や防空壕として利用され、小部屋のように掘りぬいた場所が点在しています。
『進撃の巨人』に出てくるウォール・シーナの地下街を彷彿とさせる空間で、リヴァイってこういうところで育ったのかな…と、ついつい妄想してしまいました。
ガレリア・ボルボニカはツアーでのみ見学可能です。
ナポリの街の直下にある広大な地下都市を、ぜひ探索してみてください!
- 住所
- Via Domenico Morelli, 61 c, 80121 Napoli NA
- Webサイト
- https://www.galleriaborbonica.com/
- 備考
- ツアー内容によって受付場所・時間・料金などが異なるためWebサイト要確認
ナポリ観光がお得になる!?カンパニアアルテカード

最後にご紹介するのは、「カンパニアアルテカード」という観光カードです。
カンパニアアルテカードは、公共交通期間が無料、提携美術館・博物館などの入場料が無料もしくは半額になるカードです。
カードは有効範囲や日数、用途に合わせて数種類のタイプがあります。
- Naples 3 days(ナポリ市内で3日間有効)
- 最初の3施設で入場無料、それ以降は最大50%割引
- 公共交通機関が無料
- 料金:21€
- Campania 3 days(カンパニア州全域で3日間有効)
- 最初の2施設で入場無料、それ以降は最大50%割引
- 公共交通機関が無料 ※対象外の路線あり
- 料金:32€
- Campania 7 days(カンパニア州全域で7日間有効)
- 最初の5施設で入場無料、それ以降は最大50%割引
- 公共交通機関が無料 ※対象外の路線あり
- 料金:34€
- 365 Gold Pass(365日有効)
- 50施設で入場無料、各施設に2回入場可能
- 料金:43€
- 備考
- 18-25歳はヤングパスの取り扱いあり
私はCampania 3 days(カンパニア州全域で3日間有効)カードを利用し、前述のガレリア・ボルボニカや、世界遺産のポンペイ遺跡などで活用しました。
ただ、これは実際に利用してみての、個人の感想にはなりますが…
よっぽどの美術館・博物館好きでない限り、カンパニアアルテカードの恩恵は受けづらいかも…という印象を受けました。
というのも、ナポリは比較的物価が安いこともあり、カードの元を取れるか取れないか、微妙なラインだなと思いました。
とはいえ、カンパニアアルテカードは最初の数施設で入場無料になるという特長があるので、入場料が高い施設で利用するとお得感があると思います…!
また、公共交通が乗り放題になるので、電車移動を多くする方や、いちいち切符を買うのが面倒という方にもおすすめです。
詳しくはカンパニアアルテカードの公式サイトをご確認ください。

【女一人旅】治安の悪いナポリ中央駅(ガリバルディ)周辺に宿泊してみた
- 参考文献
- 世界遺産検定事務局「すべてがわかる世界遺産大事典 – 世界遺産検定1級公式テキスト」, 株式会社マイナビ出版, 2016年